東京地方裁判所 昭和41年(カ)9号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
【判決理由】まず、本件再審の訴の適否について判断する。原記録(昭和三九年(レ)、第五四六号事件記録)によれば、再審原告主張のとおり原判決は昭和四一年六月一七日に言渡され、右判決正本は同月二三日再審原告に送達されたことが明らかである。したがって再審原告は同年七月七日までは上告により原判決の当否を争うことができたものである。ところが本件記録によれば、再審原告は上告期間中である同月五日に本件再審の訴をなしたものであるから、上告の権利を放棄する等の特別の事情の認められない本件にあっては、再審の訴提起当時原判決は確定しなかったものといわなければならない。そしてもとより再審の訴は確定の終局判決に対してなされるべきものであるから、本件再審の訴は再審の対象となる確定判決が存しなかったことにより不適法であったというべきである。
しかしながら、他方、判決が未確定であることを理由として再審の訴を却下する以前に上訴期間の経過により原判決が確定した場合には、後日再審の対象が存在することとなったのであるから、右再審の訴の瑕はもはや治癒されて適法となるものであると解せられる。これを本件についてみると原判決は昭和四一年七月七日の経過と同時に上訴期間の経過により確定したものであるから、本件再審の訴は上訴期間中における訴提起の点に限定すればこの瑕は治癒されたものと考えられる。(西山 要 西川豊長 山口忍)